「病人はすでに病に苦しめられています。さらに苦しめるようなことをしてはなりません。患者さんがクリニックのドアを開けて帰るとき、笑顔で帰られるようでければなりません」
これは、故 温雪楓博士(香港連合中医薬学院名誉会長)のお言葉です。
この教えから生まれた、獣医3-E針法を当院では採用しています。
鍼灸治療は予約制です
鍼灸治療は、施術にお時間を要する為、予約制となっております。下記のお電話番号よりご予約ください。ご来院の際もお時間に余裕を持ってお越しください。
鍼灸治療のご予約電話番号 048-862-2757
【お電話対応時間】
(月)(火)9:00〜19:00
(水)お休み
(木)(金)9:00〜19:00
(土)(日)9:00〜17:00
ペットにとっても、ご家族にとっても
“動物にとって負担の少ないやさしい医療”で、病気に苦しむ動物もそのご家族も楽にしてあげたい・・・そんな想いで、鍼灸と漢方を使った東洋医学に取り組んでいます。
現代(西洋)医学の発達で、昔は助からなかった多くの病気が治療できるようになりました。
緊急性があって手術が必要な時、痛みが激しく少しでも早く苦痛を和らげてほしい時などに西洋医学はとても優れています。しかし、診断名がつかなかったり、西洋医学で難病と言われている病気や原因のはっきりしない病気の場合、西洋医学を追及していくと、検査に次ぐ検査、治療による副作用などで、不安や苦痛の方が大きくなり、動物も飼主様もどんどん追い詰められていくケースは少なくありません。
東洋医学はそういった負のスパイラルから抜け出す突破口になります。現代医学では他に方法がない病態に対しても、穏やかな治療で対応することができます。
そして、命の最後まで諦めずに、動物に苦痛を与えることなくできることがある医療が東洋医学です。
こんな悩みをお持ちではないでしょうか
- なんとなく元気がないけれど、検査をしても特に異常はない・・・
- 薬を使うと良くなるけど、やめるとまた再発する・・・
- 薬ばかり使うのは体の負担を考えると怖い・・・
- 高齢なので手術や強い薬など体に負担をかける治療はしたくない・・・
話すことができない動物の医療は、飼い主様と獣医師が協力して、「動物にとってより良い治療法」を見つけていくことが大切です。
一日でも長くこの子が生きられるなら、どんなことでもしてあげたいと飼主様が願う一方で、治療を受ける動物は、大好きなパパやママから離れてつらい治療に耐えるより、家族のもとで穏やかに苦痛なく過ごしたいと願ってはいないでしょうか。
東洋医学を取り入れることで、動物に苦痛を与えることなく、最後までしっかりフォローできるオーダーメイドの治療をご提案いたします。
東洋医学と西洋医学
西洋医学では、内科、外科、耳鼻科など専門分野に分かれ、からだの状態を数値化したり、画像化する検査で病気かどうか判断します。そしてその診断にしたがって、目的のはっきりとした治療が行われます。
西洋薬の多くは有効成分が単一で即効性があるため、感染症の原因菌を攻撃したり、血圧を下げるなど、直接的な作用が強く、一つの症状を改善させる点では優れています。しかしそれは、病気を根本的に治しているのではなく、症状を抑えているだけのことが多く、服薬を止めるとまた元の状態に戻ってしまうことがあります。これに対し、東洋医学では専門科はありません。からだを一つの生命のある個体としてとらえます。からだのバランスの崩れが様々な症状になって現れると考えるため、病気を治すために、からだのバランスを整えることを第一に考えます。
病名や症状だけにとらわれず、東洋医学でいう五臓六腑のどこが病気の原因なのか?どこが冷えてどこに熱を持っているのか?など体質を考慮して、治療していきます。東洋医学は西洋医学のように個々の症状を直接抑えるのではなく、自然治癒力を高めることにより、自分自身の力で病気を治していきます。
東洋医学と鍼灸治療
東洋医学では、からだは自然(大宇宙)の中の一つ(小宇宙)と考えます。
宇宙では、自然界の全ての物が、「陰陽」、「五行」の法則にしたがって互いに影響し、繋がり合っています。
その法則はからだの内部にもあり、自然界の影響を受けています。
細胞、組織、器官、臓器は、異なった機能をもちながらも、全体として一つの自然(からだ)としてつながっており、宇宙と同じ法則で影響し合っていると考えられています。
一つの生命体は「気」「血」「津液」によって構成されており、これらが過不足なく、気を中心に身体を巡っています。そのバランスが失われるとさまざまな病気になると考えます。
鍼灸(しんきゅう)とは、鍼(はり)や灸(きゅう)によって、血行を促進させたり、体の中のエネルギーの流れである「気」のバランスを整えることで、体が本来持つ自然治癒力、免疫力を高めるための治療方法です。
獣医3-E針法とは
鍼灸治療といっても、いろいろな針の使い方があります。
当院では獣医3-E針法で施術しています。獣医3-E針法とは、3-E針法を動物のために応用、開発したものです。
患者動物に苦痛や負担かけないために、少ない針で短時間に確実な治療効果を上げます。
患者動物は治療中から気持ちよくリラックスします。
3-E針法は、伝統的な中医学理論に則り、一針療法の創始者である故・温雪楓博士が自身の理論を加味して発明した針法で、少数にして精密な針と独特のテクニックを特徴とします。
3-Eとは
「Economy(精簡)」「Efficient(快速)」「Effective(実効)」の3つの頭文字を表しています。鍼灸一般の鍼法と同じように、細いステンレス製の鍼(長さ約30mm~50mm、太さ直径0.12mm~0.33mm)を経穴(ツボ)に刺入します(ちなみに人の髪の毛は0.15mmくらいです)。刺入方法は、主に管針法といって合成樹脂製の筒を用いて無痛で刺入します。経穴(ツボ)に刺入した鍼は一定の刺激(鍼を上下したり回旋、振動させたりします。)を加え直ぐに抜く方法と数分間置いておく場合があります。(刺入した鍼に、微弱な低周波パルス通電をする針法もありますが、獣医3-E針法では通電はしません。)
鍼灸獣医3E針法ではこの他に、独自の針法として圧針と神火針があります。
圧針は、鍼を刺入せずに圧針器の先に鍼灸膏を塗布し、皮膚を押圧します。
圧針器の機械的、物理的刺激と同時に生薬の薬効が浸透し、経穴への効果を倍増させます。神火針は細い注射針の針先に火鍼膏をつけて火で炙り、経絡に素早く刺鍼します。
気の通りをよくし、痛みをとる作用があります。
鍼灸の科学的研究
鍼灸の効果の研究は、各地にある研究所、医療機関、鍼灸大学、短期大学などで意欲的に進められております。
総合的には、鍼灸刺激が自律神経系、内分泌系、免疫系等に作用して、その結果として、中枢性及び反射性の筋緊張の緩和、血液及びリンパ液循環の改善等の作用があり、ひいては、生体の恒常性(病気を自然に回復させる作用)に働きかけるのではないかと考えられています。
また、古来より認められている鎮痛効果の解明も次のような諸説があります。
- ゲートコントロール…針刺激が脊髄において痛みを抑制する。
- エンドルフィン…針刺激がモルヒネ様鎮痛物質の遊離を促し痛みを抑制する。
- 末梢神経の遮断効果…針刺激が末梢神経の痛みのインパルスを遮断する。
- 経穴(ツボ)の針刺激による痛覚閾値の上昇による鎮痛効果。
- 血液循環の改善…筋肉の緊張をゆるめ血行状態を良くする。
一般に、鍼灸療法は肩こり、腰痛、神経痛、関節炎ぐらいにしか効果が無いように思われがちですが、多くのつらい症状や病気に効果があります。
鍼灸の適応例
最近、NIH(米国 国立衛生研究所)の見解として鍼灸療法の各種の病気に対する効果とその科学的根拠、西洋医学の代替治療として効果について有効であると発表しました。
WHO(世界保健機関)で鍼灸療法の有効性を認めた病気には、次のものを挙げています。
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神経系疾患
◎神経痛・神経麻痺・痙攣・脳卒中後遺症・自律神経失調症・頭痛・めまい・不眠・神経症・ノイローゼ・ヒステリー
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運動器系疾患
関節炎・◎リウマチ・◎頚肩腕症候群・◎頚椎捻挫後遺症・◎五十肩・腱鞘炎・◎腰痛・外傷の後遺症(骨折、打撲、むちうち、捻挫)
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循環器系疾患
心臓神経症・動脈硬化症・高血圧低血圧症・動悸・息切れ
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呼吸器系疾患
気管支炎・喘息・風邪および予防
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消化器系疾患
胃腸病(胃炎、消化不良、胃下垂、胃酸過多、下痢、便秘)・胆嚢炎・肝機能障害・肝炎・胃十二指腸潰瘍・痔疾
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代謝内分秘系疾患
バセドウ氏病・糖尿病・痛風・脚気・貧血
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生殖、泌尿器系疾患
膀胱炎・尿道炎・性機能障害・尿閉・腎炎・前立腺肥大・陰萎
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婦人科系疾患
更年期障害・乳腺炎・白帯下・生理痛・月経不順・冷え性・血の道・不妊
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耳鼻咽喉科系疾患
中耳炎・耳鳴・難聴・メニエル氏病・鼻出血・鼻炎・ちくのう・咽喉頭炎・へんとう炎
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眼科系疾患
眼精疲労・仮性近視・結膜炎・疲れ目・かすみ目・ものもらい
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小児科疾患
小児神経症(夜泣き、かんむし、夜驚、消化不良、偏食、食欲不振、不眠)・小児喘息・アレルギー性湿疹・耳下腺炎・夜尿症・虚弱体質の改善
飼主様がお家でできること
東洋医学における治療というと、漢方薬(湯液)や針灸という薬物療法や物理療法が中心と考えられています。
しかし、体質改善を図り、病気を根本から治そうとする東洋医学では、それらの治療法が必要となる前に、それぞれの体質を考慮しながら、東洋医学的考え方に基づいて日々の暮らしを重ねることの方が重要とされています。
特に、「医食同源」と言われるように、病気を治療することと、日常の食事とは、ともに生命を養い健康を保つために欠くことができないものです。食生活をおろそかにしては、いくら鍼灸治療を重ね、漢方薬を飲んでも病気は治りません。
当院では、治療と並行してお家でのお灸法や生活環境の改善、食餌の指導もしています。飼主様のほんのひと手間、ちょっとの愛情が動物たちの健康につながるのです。
できる範囲でかまわないので、ぜひ実践してみてください。
Q&A
- 治療できる病気について教えてください。
- 鍼灸治療は身体のバランスをとる治療ですので、基本的には緊急疾患を除くほとんどの病気に行うことができます。
最近、WHO(世界保健機関)が鍼灸療法の有効性を認めたヒトの病気は次の通りです。(リストはコチラ) - 治療時間について教えてください。
- 病気にもよりますが、約15~30分位です。
- 治療費について教えてください。
- 治療内容によりますが、1回6,500~10,000円(税込)くらいです。
- 通院期間について教えてください。
- 病気にもよりますが、毎日~1ヶ月に1回と様々です。
通常、経過が良ければ間隔を開けていけることが多いです。 - 剃毛について教えてください。
- 毛を刈る必要はありません。
灸の際にも工夫して行いますので、基本的には毛は刈りません 。 - 痛みについて教えてください。
- ほとんどの動物が受け入れてくれますので、痛くないと思います。
- 往診治療について教えてください。
- どうしてもご来院できない場合は、ご相談の上、往診の対応もいたしますので、電話でご相談ください。
往診時間は平日の13時から16時です。 - 通電パルス療法について教えてください。
- パルス治療は当院では行なっておりません。
- お灸について教えてください。
- 火傷や毛が焦げたりしないように工夫しておりますので大丈夫です。毛を刈る必要もありません。
- 対象動物について教えてください。
- 対象動物は様々です。
身体の大きさ等もありますが、主には犬・猫・うさぎ等が対象となります。
個々の病気、性格にもよりますので獣医師にご相談下さい。
触られるのを極端に嫌ったり、攻撃的など、性格的にできない動物もいます。 - 不適応な病気、状態について教えてください
- 急性伝染病、急性腹症、緊急疾患時、衰弱時、ワクチン接種の直後、異常興奮時、フロントライン等の外部寄生虫駆除剤塗布直後などがありますが、適応出来るかは獣医師にご相談下さい。
- 病気の感染について教えてください。
- 当院では、全てディスポーザブル針(使い捨て)を使用していますので、ご心配ありません。
- 動物保険について教えてください。
- 一部の保険会社で使用可能です。
詳しくは各保険会社までお問い合わせ下さい。
尚、漢方薬については日本薬局法に基づくものは動物保険(アニコム・アイペット)適用となります。