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当院について

せじま動物病院コンセプト

昭和10年開設
埼玉県で地域のペットを診察し続け80年
伝統と信頼をモットーに積み重ねてきたノウハウに
鍼灸・漢方・ハーブを取り入れ
ペットと飼い主の皆様の、快適な暮らしの実現をお手伝いしています

埼玉県で最初に設立された、小動物の動物病院

2015年で80周年

せじま動物病院は、埼玉県で最初に設立された、伝統ある小動物専門の病院です。
80年の間、浦和地区の数多くのペットを診察し続けてきた豊富な経験と実績をもとに、単に個々の治療を行なうだけでなく、ペットと飼い主の皆様の快適な暮らしの実現のためにお手伝いすることを身上としています。
昭和10年2月22日に先代である私の父が開業しました。当時、埼玉県で獣医師といえば、牛や馬などの大動物を診る先生以外おりませんでした。当院が埼玉で初めて犬や猫を診る小動物の病院として開業したのです。
小動物の病院を開業したものの、最初は犬や猫の患者は多くありませんでした。小動物の病院の需要が少ないから、他の先生方もみんなやらないわけなのです。
幸い、父は牛や馬も診ることが出来たので、開業当初はその両方を診ながら仕事をしていました。
その後戦争が始まり、昭和20年2月、父の招集に伴い病院は一時休業となりました。
戦争はこの年の8月15日に終わり、9月に父は復員しましたので病院を再開しました。

戦後の変化

戦後になって事業を再開すると一つ大きく変わったことがありました。馬を軍馬として用いることが無くなったことです。 戦前の獣医師といえば、その多くが軍用馬専門医で軍人でした。軍隊への登竜門として獣医師という職業が重宝されたのです。しかし戦後になって、軍人で帰ってきた人は公職追放で一切公務員になれず、軍用馬を診ていた多くの獣医師があぶれてしまい、小動物の病院を始めました。
浦和近辺も一時的に動物病院が増えたのですが、馬の先生がいきなり犬・猫の先生になるのですから大変だったようです。小動物を診ることがやっと仕事になってきたのは、私が大学生になった頃でした。
昭和45年(1970年)より、病院を引き継ぐ形で私が院長になりました。引継いだ当時の病院は設備が不十分で、病院を建て直す資金調達のため融資申し込みに奔走しました。当時、獣医師という仕事は世間的にはまだ認知度が低く、私が往診に行くと周りに人だかりができてどんな事をしているのかと見にくることもあった程です。

国金(現在の日本政策金融公庫)がどうにか貸してくれる事となり審査官と面接すると、開口一番に「獣医さんって何をやっているのですか?」と聞かれ、世間的にはまだそんな認識なのだなと思いました。
私は院長としては二代目という事もあり、獣医師とはなにかをよく自問自答していました。病気の種類や質が変わることはあっても、人を診る医者はいつの時代も「ヒト」が対象です。
われわれ獣医師の場合は、時代の変化やペットのブームによって対象となる患者が変わってしまう。馬から牛、豚、鳥、犬、猫、はたまたエキゾチックアニマルとか。どこまでいってしまうのかというぐらい広がる。獣医師というのは動物の医者であって、人間以外の動物は私たちが診るものであると思うのです。

一方で人間と動物の「共存」の橋渡しの仕事をしているとも思っています。人間はいろいろな動物、植物などの生き物と共存してこそ、人間の存在価値がある。だからその間を取り持つことはわれわれ獣医師の仕事の大事な部分です。当院でやっていることは飼い主様と犬や猫のコミュニケーションという小さなことですが、大きくとらえると生物全体の共存の立役者になっているとも言えるでしょう。私の中では「共存」ということがひとつのテーマなのだと思います。だから私は獣医師という仕事が好きなのです。獣医師にしかできない仕事に誇りを持っています。

そして現在 命と向き合うこと

近年、ペットも高齢化が進んでいます。犬、猫の寿命はどんなに長くても人間の寿命の5分の1しかありません。人間が100年生きるとして、犬猫はたかだか20年です。その動物に人間と同じ延命治療をしたり看護をするのは違うと私は考えています。
例えば、人間が抗がん剤を使って嘔吐したり、髪の毛が抜けたりするなど副作用に苦しむことがある。でもそれは自分のため、家族のためを思ってやるわけです。動物にはそれは分からない。ただただ苦しい思いをさせてしまいます。どうしても治療をして欲しいという人には高度医療を行っている病院とも提携しているので紹介しますが、私の基本方針はそういうものです。

当院では3代目となる娘の志乃先生が東洋医学を用いた治療を行っています。具体的には漢方やお灸を治療に取り入れたものです。これは免疫力を高めたり、弱ってきた神経に刺激を与えて復活させたり、自然治癒力を高める作用があります。
東洋医学というのは薬ではなく、体自身がバランスを持ち直すようにいろいろやるわけです。西洋医学ではなんでも薬を用いますが、なにも使わなくても自分で自分の体を治そうという力があるのですから、それを手助けしてやろうというのが東洋医学です。難病や高齢の動物に対して無理なく、そして動物の生活を大きく変えることのない方法として東洋医学による治療は当院の方針に非常にあっていると思っています。
各ご家庭によって、ペットと飼主様の事情やニーズは様々です。当院では、80年間診療してきたノウハウに、最新の情報と鍼灸を中心とする東洋医学を取り入れ、それぞれの事情に合わせた、そして動物にやさしいオーダーメイドの治療をご提案しています。

犬猫は飼い主の人生の中で生まれ、そして亡くなります。一生の全てを飼い主に捧げているわけですから、最後も苦しまないで幸せに亡くなるようにするのが飼い主の義務であり、飼い主が神様の役割をしていると思うのです。高齢の動物を飼っている人にはそういう話をしています。
年をとって亡くなるというのは、人間も動物も同じ。最後は安らかに送ってあげることが大事なのです。ペットを飼っているご家族は子どもさんにもそれを教えてもらいたいですね。命の尊さとかあり方を学ぶ。そういう意味でも動物を飼って、子育ての中に生かして欲しいとも思っています。

西洋獣医学では対応できない部分を東洋獣医学でフォロー

治療や手術、お薬を使用する西洋獣医学では、特定の病気に対する効果が期待できます。しかし、病気ではないが健康とはかけ離れた「未病」と呼ばれる状態の場合、西洋獣医学の治療だけでは、十分な効果が期待できません。そこで当院では、鍼灸や漢方薬などの「東洋獣医学」を取り入れた治療を行っております。
東洋獣医学では体の内側にアプローチする治療が中心となり、免疫力や自然治癒力など、本来持っている力を引き出していき、体力の向上や不調の改善をめざします。病気の治療や予防はもちろん、末期の場合は少しでも痛みや苦痛を和らげたケアが可能です。どのような症例であっても、その子のためにできる選択肢が東洋獣医学にはあります。現在の治療について少しでもお悩みがある場合は、ぜひ当院にご相談ください。

せじま動物病院は、ペットとあなたとの、快適な生活をサポートします。

せじま動物病院の理念・ポリシー

私たちせじま動物病院が取り組む医療活動の理念をご説明させていただくために、二つの大切な考え方を、みなさんに知っていただけたら、と思います。
ちょっと難しい内容ですが、我慢して読んでみてください。

ヒューマンアニマルボンド Human Animal Bond (HAB)・・・

「人間と動物との絆」が持つ価値が、1970年代より見直されるようになりました。1970年代に欧米で始まった社会科学的研究で、人と動物とが互いに作用し合うことで生まれる効果を認め、双方の福祉とする概念のことです。
ペットを飼うということは、飼い主(与える存在)とペット(与えられお世話される存在)とかつては考えられていました。しかし、一度でもペットを飼ったことのある人は知っています。実は飼い主(ヒト)の方もペット(動物)から目に見えないたくさんの恩恵を受けていることを。
これが、人と動物が互いに作用し合うことで生まれる効果「アニマルヒューマンボンド」と名付けられ、研究されるようになりました。
人と動物とが共存し互いに触れ合う中で生まれてくる、精神的・身体的相互作用を解明するために、獣医学、精神医学、臨床心理学など、多様な科学分野で、各分野間の境界を超えた研究が進められつつある、新しい科学領域です。
これまでの研究過程で、人と動物とのふれあいが、「子供たちの精神の発達に不可欠」であることや、人の医療や福祉に効をもたらす事などが解明されています。
さらに、人と動物の関係が双方にとって、精神的にも、肉体的にも、様々な面で良い効果をもたらすことが科学的に明らかにされつつあります。

バイオフィリア(生命への愛)・・・

「ヒトと動物の関係」を「ヒトと自然の関係」としてとらえる社会生物学概念をバイオフィリアといいます。1980年代にハーバード大学の生物学者であるエドワード O.ウィルソンによって提起されました。 バイオフィリアの語源は、「バイオ:生命/自然 」と 「フィリア:愛」、すなわち「生命や自然への愛」という意味になります。
人類は原始の時代から400万年を自然の中で過ごし、自然環境や動物の行動を観察することで進化してきました。この進化の過程で、自然界と共存してきた歴史から、人間には自然と交わりたいと望む本能的、遺伝的な欲求が形成されました。そのため、人間は自然に囲まれているとき、あるいは動物とコンタクトしているときに、最大限にその能力を発揮するというのがバイオフィリアの概念です。
人間にとって最適な環境には、ヒト・動物・植物(自然)の3つの対話が不可欠であるというこのバイオフィリアは、教育施設や医療施設など様々な施設を作るときに取り入れられています。

また、私たちが自然との交わりから得られる有益で心地良い体験をバイオフィリックエンゲージメントといいます。動物との触れ合いもその体験の一つです。
過去数十年の様々な分野のリサーチによると、バイオフィリックエンゲージメントは心身への影響はもとより、人々の行動や社会交流に多大な影響を及ぼすことがわかっています。たとえば、自然日光や自然の眺めはヘルスケア環境における患者の安らぎと治癒力を高めることが、自然と健康に関する研究で立証されています。歯科医の待合室に魚の入った水槽を置いておくと治療中の痛みが軽減することも立証されています。
バイオフィリアの活性化は、ポジティブな循環を生み出します。私たちの自然とのふれあいを通して、ストレスの軽減、社交性や問題解決能力の向上、生理的機能の安定や健康の改善等の効力を期待することができます。
このような効力を経験すると、更に自然との交わりを増やすようになり、結果として同様な効力を更に享受することができます。
私たち人間は自らが理解し愛するものに対して心を配るようになる傾向があります。バイオフィリアの活性化は自然と生命に対する私たちの理解と愛を深めてくれます。そしてそのことは、私たちが自然を理解し保護する行動へとつながるのです。

以上はちょっと難しいことを言っているように思われるかもしれませんが、私たちが動物診療にあたる際に理念の核となっている大切な部分です。私たちは、単に動物たちの怪我や病気の手当てをするのではありません。
動物たちを治療するのは、飼い主を始めとする人間の、動物を無視した自分勝手な思いだけのためではなく、治療行為の根本には、「同じ動物としての本能に根ざした意義があるのだ」ということを知っていただきたいと思っています。
また、「ペットたちが元気で可愛い姿でいてくれることで、私たち自身も日々元気をもらっている」ということに対する感謝の気持ちが、私たちの治療活動のは背景にはあります。
こうした考えを飼い主の皆さんと共有しながら、ヒトと動物、お互いにとって楽しい生活を支える手助けをしてゆきたいと考えております。
ひいてはそれが、生命や自然を理解し保護することにつながると信じています。
以上ご説明させていただきましたポリシーのもと、日々ペットたちのお世話をさせていただいている私たちですが、院内での診療の他にも様々な活動をしております。

院長のその他<院外>の活動

国際協力機構(JICA)の活動である青年海外協力隊への支援活動を行っています。 活動内容としては埼玉から派遣する隊員の壮行会と帰国後の報告会のお膳立てなどです。
また、派遣先での体験談や任務の事を帰国してから日本の少年少女に話してもらったりもします。
次世代を担う子供たちに勇気と希望を与える大切な活動と考えています。 派遣先は世界各国で世間的にはあまり知られていないような国にまで行くのです。 そこで地元の人と地道な交流を重ね、奉仕活動をしてくる。決して表立って目立つ様なことではないけれど、すごくいい仕事をしてるんですよ。
派遣された国によっては、交通手段もまともなものがないし、通信手段もです。最近になってやっとネット環境が整備されてきたけど、それまでは現地の環境が実際に行ってからでないと分からない状態でした。
事前にこういう活動をして欲しいという要望は受けますが、こちらが考えていたことと違う事もあります。
そのギャップをどう埋めて自分たちの活動に生かしていくか。苦労も多いとは思いますが、乗り越えていく事で勉強になるし、もちろん現地の人にも感謝される。苦労を乗り越えるための一人ひとりの思いや気持ちが大切なんだと思います。

その他の活動としては、海外からの留学生のために弁論大会の実行委員長をやっています。日本語での弁論大会です。
年に一回開催していて、今年で13回目になります。留学生に声をかけていって200人が入る位の会場で聴衆を前に日本の印象や自分の国について日本語で話してもらいます。 日本についての率直な意見が聞けるので面白いですよ。

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