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小型犬の膝蓋骨(パテラ)脱臼 鍼灸治療
ヨーキーやチワワ、プードルなどに多い膝蓋骨脱臼。膝のお皿(パテラ)がはずれてしまう病気です。急にキャンと悲鳴をあげて、後ろ足を挙げてケンケンしていて気づくことが多いです。
グレード1から4まで脱臼の程度はいろいろですが、一般的には重度だと手術をすすめられます。ですが、体が小さいので手術を悩まれる飼い主様から相談を受けることがあります。
当院では、鍼灸とレーザーを組み合わせて治療します。小型犬は遺伝的に軟骨や靭帯が弱く、膝蓋骨が脱臼したり関節そのものがゆるくてグラグラするので体を支えにくかったりします。中医学では、膝蓋骨脱臼は「痺(ひ)証」といわれ、風、寒、湿などの邪気が経絡や関節を侵し、関節や筋肉の痛み、四肢の脱力やこわばり、運動障害などをもたらすものをいいます。鍼灸で経絡の通りをよくし、全身の気の巡りをよくすることで、痛みはとれていきます。痛みは膝ですが、骨や関節が弱いということはもともと先天の氣が少なく腎が弱いということなので、鍼灸と漢方、サプリメントを組み合わせて全身を治療していきます。鎮痛薬は急性期の強い痛みをとるにはいいですが、使い続けると体を冷やしてかえって痛みが出やすくなるので、漢方やサプリメントに切り替えていきます。治療していくうちに、関節がしっかりして膝蓋骨が脱臼しにくくなり、脱臼しても痛みが出なくなっていきます。はじめは週に2回くらいのペースで治療し、3~4回くらいで痛みはかなりなくなるので、その後は少しずつ間隔を空けながら全身の調整と体質改善していきます。痛みが出なくなったら1~2か月に1回全身の調整をしていい状態をキープしていきます。
ときどき鍼灸で身体の調整をしながら 膝に負担をかけないように体重をコントロールして老犬になっても元気に走り回っているワンちゃんがたくさんいます。手術しないという選択肢もあるので、ご相談ください。